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473 研究: ジョルダン標準形とその応用 ジョルダン標準形の勉強するに当たって、それがどのような意義(目標)があるのかを知 っておく必要があろうと思う。それには最小限の微積分、微分方程式の予備知識が必要にな る。それについて若干の説明をしておきたい。 5.1 行列指数関数 若干の数列と級数の説明を簡単にしておく。ここでは証明はすべて省略する。詳細は微積 分編で解説するであろう。 数列 収束 するとは、任意の正の数 について、適当な自然数 を選んだとき、 が成立するときをいう。このことを と表す。 a を数列 {a n } の極限(値)という。数 列が収束しないとき発散 するという。 lim n→∞ が線形性を持つことは極限の定義に基づいて容易 に証明できる。 が単調増加数列であるとは、 のといをいう。 が上に有界であるとは、 であるような n に依存しない実数 が取れるときをい う。 数列 が単調増加数列で上に有界なら、 は収束するといことはワイエルシュト ラス(Weieratrass) の定理としてよく知られている。 たとえば、 とする。数列 は単調増加数列で、 であることが容易にわ かる。そこで、 はネピアーの定数と呼 ばれる非常に重要な値である。 参考 Limit((1+1/n)^n,n = infinity);%=value(%) evalf(rhs(%),200) ----------------------(上の式の右辺:e の 200 桁近似計算) seq([n,(1+1/n)^n],n=1..10) evalf(%) {a n } a ε n ε a n a < ε for all n such that n > n ε lim n→∞ a n = a {a n } a 1 a 2 !a n a n+1 ! {a n } a n M M {a n } {a n } a n = 1 + 1 n n {a n } a n < 3 lim n→∞ 1 + 1 n n = e ( 2.7182818284590452354 ⋅⋅⋅ ) e

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Page 1: 473 研究: ジョルダン標準形とその応用 - CYBERNET...473 研究: ジョルダン標準形とその応用 ジョルダン標準形の勉強するに当たって、それがどのような意義(目標)があるのかを知

473

研究: ジョルダン標準形とその応用

ジョルダン標準形の勉強するに当たって、それがどのような意義(目標)があるのかを知

っておく必要があろうと思う。それには最小限の微積分、微分方程式の予備知識が必要にな

る。それについて若干の説明をしておきたい。

5.1行列指数関数

若干の数列と級数の説明を簡単にしておく。ここでは証明はすべて省略する。詳細は微積

分編で解説するであろう。

数列 が に収束するとは、任意の正の数 について、適当な自然数 を選んだとき、

が成立するときをいう。このことを と表す。aを数列{an}の極限(値)という。数

列が収束しないとき発散するという。 limn→∞

が線形性を持つことは極限の定義に基づいて容易

に証明できる。 が単調増加数列であるとは、 のといをいう。

が上に有界であるとは、 であるような nに依存しない実数 が取れるときをい

う。

「数列 が単調増加数列で上に有界なら、 は収束する」といことはワイエルシュト

ラス(Weieratrass)の定理としてよく知られている。

たとえば、 とする。数列 は単調増加数列で、 であることが容易にわ

かる。そこで、 、 はネピアーの定数と呼

ばれる非常に重要な値である。

参考

Limit((1+1/n)^n,n = infinity);%=value(%)

evalf(rhs(%),200) ----------------------(上の式の右辺:eの 200 桁近似計算)

seq([n,(1+1/n)^n],n=1..10)

evalf(%)

{an} a ε nε

an−a <ε for all n such that n> nε

limn→∞

an = a

{an} a1≤ a2 ≤!≤ an ≤ an+1≤!

{an} an ≤M M

{an} {an}

an = 1+

1n

⎛⎝⎜⎜⎜

⎞⎠⎟⎟⎟

n

{an} an < 3

limn→∞

1+1n

⎛⎝⎜⎜⎜

⎞⎠⎟⎟⎟

n

= e ( 2.7182818284590452354 ⋅⋅⋅ ) e

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fn (x) (n=1,2,! )は区間 Iで定義された関数とする。列{ fn (x)} を Iで定義された関数列

という。各 x∈ Iごとに数列{ fn (x)}が収束するとき、関数列が Iで収束するという。その極

限は xごとに決まる値でそれを f (x)と表し、これを関数列 { fn (x)}の極限関数という。

すなわち、任意の正の数 εに対して、適当な自然数 nε,x ( ε, xに依存して決まる)をうまく選

んで、

fn (x)− f (x) <ε for all n such that n> nε,x

が成立している。特に nε,x = nε ( εのみに依存し, xには依存しないで決まる自然数)とき、関

数列 { fn (x)}は Iで一様収束するという。

を級数という。 とおいて、これを級数の第 部分和という。そして、

数列 が収束するとき、級数 は収束するという。 とするとき、

を級数の和といい、 と表す。収束しないとき発散するという。級数 におい

て、 が収束するとき、 は絶対収束するという。

2つの絶対収束する級数 について、級数 を と の積という。

とかく。実際、 とおくとき、

を と とのコーシーの乗積級数という。そして、

であることが容易にわかる。

fn (x)

n=1

∑ ( = f1(x)+ f2 (x)+! )

を関数項級数という。第 n部分和からなる関数列 {Sn (x)}が Iで収束するとき、関数項級数

fn (x)

n=1

∑ が収束するという。関数列{Sn (x)}が Iで一様収束するとき、関数項級数は一様収束

an

n=1

∑ = a1 +a2 +!+an +! ( )

Sn = a1 +a2 +!+an n

{Sn}

ann=1

∑ limn→∞

Sn = S

S S= an

n=1

ann=1

an

n=1

ann=1

an

n=0

∑ , bnn=0

ai0≤i, j∑ bj

an

n=1

bnn=1

an

n=1

∑⎛

⎝⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟⋅ bn

n=1

∑⎛

⎝⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟

cn = ai

i+ j=n, i, j≥0∑ bj = a0bn +a1bn−1 +!+anb0

cn

n=0

an

n=1

bnn=1

an

n=1

∑⎛

⎝⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟⋅ bn

n=1

∑⎛

⎝⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟= cn

n=0

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するという。また、

fn (x)

n=1

∑ が収束するとき、

fn (x)

n=1

∑ は絶対収束するという。

『関数項級数

fn (x)

n=1

∑ において、 fn (x) <Mn ( 定数Mn (n=1,2,!))がうまくとれて

Mn

n=1

∑ が収束しているとき、関数項級数

fn (x)

n=1

∑ は Iで絶対一様収束する』といことはワイ

エルシュトラス(Weieratrass)の判定法としてよく知られている。さて、1つの関数項級

を巾(ベキ)級数または整級数という。

のとき、 が絶対収束し、 のとき、 が発散するという正の実数

( )が定まる。これの実数 Rを巾級数 の収束半径という。

とか、

のようにして求めることができる。

limn→∞

an+1

an= 0, lim

n→∞ann = 0のときは R= +∞と定め、ま

た、

limn→∞

an+1

an= +∞, lim

n→∞ann = +∞のとき、 R= 0ということにする。

R= +∞のとき、至る所で巾級数は収束、 R= 0のとき巾級数は発散することを意味する。

を巾級数 の収束域という。 の和は の関数で、 とすると、これ

は収束域で連続であることは容易にわかる。

さて、正方行列 について、 と定める。

ここで、 が対角化可能で、固有値 λi < R ( i=1,2,!,n)とするとき、適当な正則行列 P

を選んで、

an

n=0

∑ xn

x < R

ann=0

∑ xn x > R

ann=0

∑ xn R

0≤ R≤+∞

ann=0

∑ xn

1R

= limn→∞

an+1

an 1R

= limn→∞

ann

x < R

ann=0

∑ xn

ann=0

∑ xn x f (x)

A∈M (n,n;R) f (A)= an

n=0

∑ An

A

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P−1AP=

λ1 O!

0 λn

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟で、

P−1 f (A)P= f (P−1AP)=f (λ1) O

!O f (λn )

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

となる。そして、

f (A)= Pf (λ1) O

!O f (λn )

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟P−1

として計算できる。

たとえば、 g(x) =1+ x+ x2 +!=

11− x

( x <1 )とすると、

行列

A=

16

16

−13

13

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

について、固有多項式

fA(λ)= λ−

12

⎛⎝⎜⎜⎜

⎞⎠⎟⎟⎟ λ−

13

⎛⎝⎜⎜⎜

⎞⎠⎟⎟⎟であり、

A の固有空間の基底は

12

⎝⎜⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟, 11

⎝⎜⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟で、対角化変換行列

P= 1 1

2 1

⎝⎜⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟となる。そして

g(A)= 1 12 1

⎝⎜⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟

g 12⎛⎝⎜⎜⎜⎞⎠⎟⎟⎟ 0

0 g 13⎛⎝⎜⎜⎜⎞⎠⎟⎟⎟

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

−1 12 −1

⎝⎜⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟=

1 12

−1 52

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

のように計算できる。

さて、

級数:

の収束半径は +∞であり、この級数の和を とか と表し、これを指数関数という。

すなわち、

exp(x)= xn

n!n=0

と定義する。

任意の x1, x2 ( 0< x1 < x2 )について、 x1n < x2

nであるから、exp(x)は x> 0で狭義の単調増

xn

n!n=0

ex exp(x)

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加関数である。また、級数の積の性質(コーシーの乗積級数)から、

exp(x1)exp(x2 )= 1+

x11!

+x212!

+x313!

+!⎛

⎝⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟ 1+

x21!

+x222!

+x323!

+!⎛

⎝⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟

=1+

x1 + x21!

+(x1 + x2 )

2

2!+(x1 + x2 )

3

3!+!

∴ 、 {exp(x)}m = exp(mx)

であることもわかる。明らかに、 exp(0)=1で、 exp(x)exp(−x)=1であるから、 exp(x)≠ 0 ,

exp(x)> 0がわかる。そして、 exp(x)はRで狭義の単調増加関数であることもわかる。

また、

であることも容易にわかる。

参考

seq([n,sum(1/factorial(k),k=0..n)],n=1..10)

evalf(%)

である。このことから、 は よりはるかに収束のスピードが速いことがわか

るでろう。さて、

A(x)= ai, j (x)( )∈M (m,n;R)とする。ここで、各 ai, j (x)は微分可能な関数とする。

limx→x0

A(x) = limx→x0

ai, j (x)( ), dA(x)dx

=dai, j (x)dx

⎝⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟, A(x)dx=

ddx

ai, j (x)dx∫⎛⎝⎜⎜⎜

⎞⎠⎟⎟⎟∫ ∈M (m,n;R)

と定める。明らかに、

limx→x0{αA(x)+βB(x)}=α lim

x→x0A(x)+β lim

x→x0B(x)

ddx{αA(x)+βB(x)}=α

dA(x)dx

+βdB(x)dx

{αA(x)+βB(x)}dx=α A(x)dx∫∫ +β B(x)dx∫

exp(x1)exp(x2 )=

(x1 + x2 )n

n!n=0

∑ = exp(x1 + x2 )

exp(x) = lim

n→∞1+

xn

⎛⎝⎜⎜⎜

⎞⎠⎟⎟⎟

n

, exp(1) =1n!n=0

∑ = e

1n!n=0

∑ limn→∞

1+1n

⎛⎝⎜⎜⎜

⎞⎠⎟⎟⎟

n

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が成立する。 Maple で計算するとき、次のように入力する。

map(limit,A,x=a) ------------- limx→a

A(x)

map(diff,A,x) ------------- dA(x)dx

map(int,A,x) ------------- A(x)dx∫

たとえば、 with(linalg): A:=matrix(2,3,[tan(x)/x,arctan(x)/x,sin(a*x)/sin(b*x),sin(x)/x, x*sin(1/x), arcsin(x)/x])

map(Limit,A,x = 0);%=value(%)

B:=matrix(2,3,[x*(x-1),x*sin(x), x*cos(x), x*log(x),tan(x),log(x)/x])

map(Diff, B, x);%=value(%)

map(Int, B, x);% =map(factor,value(%))

map(Int,matrix(3,2,[seq(x^k*sin(x),k = 0 .. 5)]),x = 0..(1/2)*Pi); % =value(%)

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のように計算される。この Maple の機能はベクトル解析を学ぶ際にに大いに役に立つと思

う。 注意 B において、1行のみを微分、2行のみを微分、積分した行列を求めるには次のよう

に入力して計算することができる。 matrix(2,3,[seq(diff(B[1,k],x),k=1..3),seq(B[2,k],k=1..3)])

matrix(2,3,[seq(int(B[1, k],x),k=1..3),seq(B[2, k],k =1.. 3)])

matrix(2,3,[seq(B[1,k],k=1..3),seq(int(B[2,k],x),k=1..3)])

さて、正方行列 について、

exp(A)= Aν

ν!ν=0

∑ と定義する。 exp(A)を行列指数関数という。

まず、この級数が収束することを示しておこう。

M = max

1≤i, j≤nai, j とする。この正の数M を行列 Aのノルムという。また、

Aν = ai, j

(ν )( )とおく。

A= (ai, j )∈M (n,n;R)

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そのとき、

ai, j

(ν ) < nν−1M ν ( 1≤ i, j≤ n ) が成立する。これは νに関する数学的帰納法により次のよ

うに示される。

ai, j

(ν−1) < nν−2M ν−1 ( 1≤ i, j≤ n )が成立していると仮定(帰納法の仮定)する。

そこで、 ai, j(ν )は (A

ν−1)Aνの (i, j)成分であるから、

ai, j(ν ) = ai,k

(ν−1)ak , jk=1

n

∑ ≤ ai,k(ν−1) ak , j

k=1

n

∑ ≤ nν−2M ν−1 ak , jk=1

n

∑ ≤ nν−1M ν

ai, j(ν )

ν!ν=0

∑ ≤nν−1M ν

ν!ν=0

∑ =1nexp(nM )であるから、Weierstrass の判定法により、

ν!ν=0

∑ は収

束する。 A,B∈M (n,n;R)について、 A ⋅B= B ⋅Aのとき、

exp(A)⋅exp(B)= exp(A+ B) が成立することは容易にわかる。

次に、

E = 1 0

0 1

⎝⎜⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟, J = 0 −1

1 0

⎝⎜⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟

とおく。複素数 z= x+ iyに対して、2次の正方行列

Z = xE+ yJ =x −y−y x

⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟を考える。

この形の行列の集合をM としよう。

写像: τ : C→ Z ( z= x+ iy! xE+ yJ ) は全単射である。そして、

z1 = x1 + iy1, z2 = x2 + iy2 ∈Cについて、

τ(z1 + z2 )=x1 + x2 −(y1 + y2 )y1 + y2 x1 + x2

⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟=

x1 −y1y1 x1

⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟+

x2 −y2y2 x2

⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟= τ(z1)+ τ(z2 )

τ(z1z2 )=x1x2− y1y2 −(x1y2 + x2y1)x1y2 + x2y1 x1x2− y1y2

⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟=

x1 −y1y1 x1

⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟

x2 −y2y2 x2

⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟= τ(z1)τ(z2 )

z= x+ iy≠ 0について、

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τ1z⎛⎝⎜⎜⎜⎞⎠⎟⎟⎟= τ

x− iyx2 + y2⎛

⎝⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟=

xx2 + y2

yx2 + y2

−yx2 + y2

xx2 + y2

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

= {τ(z)}−1

このことは、 x+ iyと

x −y−y x

⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟は同一視できることを意味する。そして、 Re(z)↔ xE,

Im(z)↔ yJ である。さらに、 J2=−E, J 3=−J,EJ = JEであるから、

exp(xE)= E+(xE)1!

+(xE)2

2!+!=

xn

n!n=0

∑ 0

0 xn

n!n=0

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

= exp(x)E

exp(yJ )= E+

11!(yJ )+ 1

2!(−y2E)+ 1

3!(−y3J )+ 1

4!(y4E)+ 1

5!(y5J )+ 1

6!(−y6E)+!

=

(−1)n y2n

(2n)!n=0

∑⎛

⎝⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟E+

(−1)n y2n+1

(2n+1)!n=0

∑⎛

⎝⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟J

cos y=

(−1)n y2n

(2n)!n=0

∑ , sin y=(−1)n y2n+1

(2n+1)!n=0

であるから、

∴ exp(yJ )= (cos y)E+ (sin y)J (Euler の公式: eiθ = cosθ+ i sinθ )

をうる。そして、

exp(xE+ yJ ) = exp(xE)exp(yJ ) = exp(x)E exp(yJ ) = exp(x) (cos y)E+ (sin(y)J{ } ! ex+iy = ex (cos y+ isin y)

正方行列 A について、Maple で exp(A)を計算するには、 exponential(A) と入力する。たとえば、

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(i)

A=x −yy x

⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟について、(ii)

A=1 1 00 2 10 0 −2

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟について、exp(A)を計算して

みよう。 (i) with(linalg): A := matrix(2,2,[x,-y,y,x])

exponential(A)

(ii) A := evalm(band([0, 0, 1], 3)+diag(1, 2, -2))

exponential(A)

のように計算できる。

A∈M (n,n;R)が対角化可能とすると、適当な正則行列 Pをとって、

P−1AP=

λ1 O!

O λn

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

とできる。そこで、

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483

P−1 exp(A)P= exp(P−1AP)=

λ1ν

ν!ν=0

∑ O

!

O λnν

ν!ν=0

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

=exp(λ1) O

!O exp(λn )

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

exp(A)= Pexp(λ1) O

!O exp(λn )

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟P−1

をうる。 たとえば、

A=−2 2 16 −1 64 −2 1

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟について、 fA(λ)= (λ+1)(λ−2)(λ+ 3)であるから、 Aは対角化可能

である。 Aの固有空間の基底は

{−1−11

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟,120

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟,−101

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟}で、

P=−1 1 −1−1 2 01 0 1

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

とすると、

P−1AP=2 −1 21 0 1−2 1 −1

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

−2 2 16 −1 64 −2 1

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

−1 1 −1−1 2 01 0 1

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟=−1 0 00 2 00 0 −3

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

であるから、

exp(A)= Pe−1 0 00 e2 00 0 e−3

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

P−1 =

−2e−1 + e2 +2e−3 e−1−e−3 −2e−1 + e2 + e−3

−2e−1 +2e2 e−1 −2e−1 +2e2

2e−1−2e−3 −e−1 + e−3 2e−1−e−3

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

のように計算される。

さて、 A∈M (n,n;R)について、

F(t)= exp(At) とする。

dF(t)dt

= Aexp(At)

が成立する。次のようにして容易に示される。

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484

dF(t)dt

= limΔt→0

F(t+Δt)−F(t)Δt

= limΔt→0

exp(A(t+Δt))−exp(At)Δt

= limΔt→0

exp(At)exp(AΔt))−exp(At)Δt

= exp(At) lim

Δt→0

exp(AΔt))−EΔt

= exp(At) limΔt→0

1Δt

E+11!AΔt+

12!(AΔt)2 +!

⎛⎝⎜⎜⎜

⎞⎠⎟⎟⎟−E

⎧⎨⎪⎪⎩⎪⎪

⎫⎬⎪⎪⎭⎪⎪

= exp(At) lim

Δt→0A+

12!Δt ⋅(A2 +

13!A3Δt+

14!A4 (Δt)2 +!)

⎧⎨⎪⎪⎩⎪⎪

⎫⎬⎪⎪⎭⎪⎪

= exp(At)A= Aexp(At)

また、

exp(A) =1⇔ tr(A)= 0

であることもわかる。それは次のようにして示される。

A(x)= ai, j (x)( )∈M (n,n;R)について、

ddx

A(x) =

a1,1(x) a1,2 (x) a1,3(x) ! a1,n (x)" " " " "

dai,1(x)dx

dai,2 (x)dx

dai,3(x)dx

!dai,n (x)dx

" " " " "an,1(x) an,2 (x) an,3(x) ! an,n (x)

i=1

n

が成立することはすでに例題 37 (105 ページ参照)で示した。

右辺

=

dai,1(x)dx

!ai, ji=1

n

∑j=1

n

∑ (上の行列式の第 i行展開)

A!(x) dA(x)dx

=

"a1,1(x) "a2,1(x) # "an,1(x)"a1,2 (x) "a2,2 (x) # "an,1(x)$ $ $ $"a1,n (x) "a2,n (x) # "an,n (x)

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

da1,1(x)dx

da1,2 (x)dx

#da1,n (x)dx

da2,1(x)dx

da2,2 (x)dx

#da2,n (x)dx

$ $ $ $dan,1(x)dx

dan,2 (x)dx

#dan,n (x)dx

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

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485

=

!ai,1dai,1(x)dxi=1

n

∑ *

!ai,2dai,2 (x)dxi=1

n

∑"

* !ai,ndai,n (x)dxi=1

n

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

∴d A(x)dx

= tr A!(x) dA(x)dx

⎛⎝⎜⎜⎜

⎞⎠⎟⎟⎟

他方、 A(x) ≠ 0のとき、 A(x) A(x)−1 = A(x)!であるから、

1A(x)

d A(x)dx

= tr A(x)−1 dA(x)dx

⎛⎝⎜⎜⎜

⎞⎠⎟⎟⎟

ここで特に、 A(x)= exp(Ax)( exp(Ax) ≠ 0 , A は定数行列 )とすると、

ddxA(x) =

ddx

exp(A(x)) = Aexp(A(x)) = A(x)A

であることはすでに上で示した。そして、

d exp(xA)exp(xA)

= tr(A)dx, exp(Ax) =C exp(tr(A)x) ( C は定数)

をうる。この式に x= 0を代入すると、 C =1をうる。すなわち、 exp(Ax) = exp(tr(A)x)

exp(A) = exp(tr(A))で、 exp(A) =1⇔ tr(A)= 0をうる。

たとえば、次の行列についてこの命題をチェックしてみよう。

A=

2 1 −10 2 2

2 52−4

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

( tr(A) = 0 )

A:=matrix(3,3,[2,1,-1,0,2,2,2, 5/2,-4])

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486

factor(charpoly(A,lambda))

L:=eigenvects(A)

L[1][3][1],L[2][3][1],L[3][3][1]

P:=augment(%)

inverse(P),evalm(A),evalm(P)

AA:=simplify(multiply(%))

diag(exp(AA[1, 1]),exp(AA[2, 2]),exp(AA[3, 3]))

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487

simplify(det(%))

また、

A=−3 1 −1−7 5 −1−6 6 −2

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟ ( tr(A) = 0 )

としてみよう。

P=0 1 −11 1 −11 0 −1

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟ととると、

P−1AP=−1 1 00 1 −1−1 1 −1

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

−3 1 −1−7 5 −1−6 6 −2

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

0 1 −11 1 −11 0 −1

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟=

4 0 00 −2 10 0 −2

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

となる。そして、

exp(A)=0 1 −11 1 −11 0 −1

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

e4 0 00 e−2 e−2

0 0 e−2

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

−1 1 00 1 −1−1 1 −1

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

=0 e−2 −e−2

−e4 e4 + e−2 −e−2

−e4 + e−2 e4−e−2 e−2

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

, ∴ exp(A) =1

注:変換行列(Jordan 変換行列)P の求め方については後で解説する。

さて、

11+ x

=1

1−(−x)=1+ (−x)+ (−x)2 + (−x)3 +!= (−1)ν xν

ν=0

∑ ( x <1 )

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488

はよく知られている。 A= (ai, j )∈M (n,n;R) について、A のノルム M <

1nのとき、

(−1)ν Aν

ν=0

∑ は収束する。この和を

1E+ A

と表す。

1E+ A

= E−A+ A2−A3 +!

で、これをノイマン(Neuman)級数という。そして、

log(1+ x)= (−1)ν−1

νxν

ν=1

であることは微積分でもよく知られている。

log(E+ A)= (−1)ν−1

νAν

ν=1

と定義する。これを行列対数関数という。 5.2 連立線形微分方程式 まず、微分方程式の最低限度の基本知識を若干説明しておく。ベクトル空間、連立1次方

程式の解法などはよく復習しておく必要がある。 未知関数 について, を 階の常微分方程式という。 の形を正規形という。 この関係式を満たす関数 を微分方程式の解くという。それを求めることを微分

方程式を解くという。 個の任意定数を含む解 を微分方程式の一

般解という。 に特定の値を指定したときの解を特殊解という。 一般解からは得られない解を特異解という。 未知関数 について、

の形の微分方程式を変数分離形という。 であるから、

(C は任意定数)

の形に解ける。解を必ずしも陽関数 y= f (x)の形に表さなくともよい。 たとえば、 ( 変数分離形)を解いてみよう。

∴ ( C は任意定数)

y(x)

F(x, y, ′y , ′′y ,!, y(n) )= 0

n y(n) =G(x, y, ′y , ′′y ,!, y(n−1) )

y(x)n y= y(x,c1,c2,!,cn )

c1,c2,!,cn

y(x)

′y = f (x)g(y)

1g(y)

′y =ddx

dyg(y)∫

⎝⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟= f (x)

dyg(y)∫ = f (x)dx∫ +C

′y = (y2−1)tan x

1y2−1

′y = tan x⇔ 12

1y−1−

1y+1

⎝⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟′y =−

−sin xcos x

⇔ log y−1y+1

⎝⎜⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟⎟= log 1

cos x+ c

y=

C cos2 x+1C cos2 x−1

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489

と解は表される。 未知関数 について、 ☆ を満たす関数 を求めることを考える。これを 階線形微分方程式という。特に、

のとき、斉次形という。これを満たす を方程式の解 (soluteons)という。

L=

dn

dxn+a1(x)

dn−1

dxn−1+!+an−1(x)

ddx

+an (x) とおくとき、上の方程式を と表すこともできる。明らかに、 が成立する。すなわち、 は線形性を持っている。線形微分作用素とも呼ばれている。☆が

線形微分方程式と呼ばれる所以であろう。 個の関数 について、 を の 1 次結合という。 が 1 次独立であるとは

が成立するのは のときに限る場合をいう。1 次独立でないとき、1 次

従属であるという。たとえば、 は1次独立である。それは次のようにして示さ

れる。 両辺を 2 回微分して、

を未知数とみて、斉次連立1次方程式の係数行列式は

であるから、自明な解 のみを持つ。一般に 個の関数

が1次独立であることを示すにはどうしたらよいかを考えてみよう。 とする。1から 回微分すると これらを を未知数とする斉次の連立1次方程式とみて、自明な解のみ を持つことを示せばよい。それには、係数行列式

y(x)

y(n) +a1(x)y

(n−1) +!+an (x)y= b(x)y(x) n

b(x)≡ 0 y(x)

L y(x)( )= b(x)

L(αy1 +βy2 )=αL(y1)+βL(y2 )L

k y1(x),!, yk (x)

c1y1(x)+!+ ckyk (x)

y1(x),!, yk (x) y1(x),!, yk (x)

c1y1(x)+!+ ckyk (x)≡ 0

ci = 0 ( i=1,2,!,k )1,sin x,cos x

c11+ c2 sin x+ c2 cos x= 0

c10+ c2 cos x−c2 sin x= 0

c10−c2 sin x−c2 cos x= 0c1,c2,c3

1 sin x cos x0 cos x −sin x0 −sin x −cos x

=−1≠ 0

ci = 0 ( i=1,2,3 ) n y1(x), y2 (x),!, yn (x)

c1y1(x)+ c2y2 (x)+!cnyn (x)≡ 0

n−1

c1 ′y1(x)+ c2 ′y2 (x)+!+ cn ′yn (x)≡ 0

!

c1y1(n−1)(x)+ c2y2

(n−1)(x)+!+ cnyn(n−1)(x)≡ 0

c1,c2,!,cn

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490

がゼロでないこをを示せればよい。この行列式を のロンスキーの行列

式 (Wronskian)といい、 と表す。 これを Maple で計算するには、次のように入力する。

たとえば、 を計算してみよう。 with(linalg): w:=vector([exp(-x),exp(x),seq(x^k*exp(2*x),k = 0 .. 3)])

wronskian(w,x)

W := simplify(det(%))

は、 は1次独立であることを意味する。

なんらかの方法で、☆の1つの解 (特殊解と呼ばれる)を求めて、☆の一般解

( 個の任意定数を含む解)は の形に表されることが知られている。 ここで、 個の関数 は の1次独立な解である。 を

の基本解の系という。 ☆において、 が定数のとき、定数係数の線形微分方程式という。 特に、 のとき、すなわち、

y1(x) y2 (x) ! yn (x)′y1(x) ′y2 (x) ! ′yn (x)" " # "

y1(n−1)(x) y2

(n−1)(x) ! yn(n−1)(x)

y1(x), y2 (x),!, yn (x)

W y1(x), y2 (x),!, yn (x)( )

wronskian([f1(x), f2 (x),!, fn (x)],x)

W (e−x ,ex ,e2x , xe2x , x2e2x , x3e2x )

W ≠ 0 {e−x ,ex ,e2x , xe2x , x2e2x , x3e2x}

ysp (x)

n

y= c1y1(x)+ c2y2 (x)+!+ cnyn (x)+ ysp (x)

n y1(x),!, yn (x) L(y)= 0 {y1(x),!, yn (x)}

L(y)= 0

a1(x),a2 (x),!,an (x)

n=1

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491

が1階の線形微分方程式である。解の公式を求めておこう。まず を考える。

ここで、 (C は任意定数:積分定数)である。さて C を の関数 と見做して,

が の1つの特殊解になるように を決めたい。こ

れを方程式に代入すると、

とすればよいことがわかる。すなわち、 の一般解は

である。この解法を(ラグランジュの)定数変化法(method of variation of constants)と呼ばれている。

を 1 階線形微分方程式の解の公式として覚えておく必要がある。 たとえば、 を解いてみよう。解の公式を使うと、一般解

をうる。 定数係数 階線形微分方程式 ★ を考察する。関数 を★ の左辺に代入すると、 ◆ である。そこで、 とおく。 の零点を

とすると、 であるから、 が★の1つの解であることがわかる。そこで、 の

次の多項式 を★の特性多項式という。 を★の特性方程式という。

′y +a(x)y= b(x)

′y +a(x)y= 0

′y +a(x)y= 0⇔

′yy

=−a(x)⇔ log y =− a(x)dx∫ + c⇔ y=C exp − a(x)dx∫( )

C = ±ec x C(x)

C(x)exp − a(x)dx∫( ) ′y +a(x)y= b(x) C(x)

′C (x)exp − a(x)dx∫( )−C(x)a(x)exp − a(x)dx∫( )+a(x)C(x)exp − a(x)dx∫( )= b(x)

∴ ′C (x)exp − a(x)dx∫( )= b(x)⇔ ′C (x)= b(x)exp a(x)dx∫( )

∴C(x)= b(x)exp a(x)dx∫( )dx∫

′y +a(x)y= b(x)

y(x)=C exp − a(x)dx∫( )+ b(x)exp a(x)dx∫( )dx∫( )exp − a(x)dx∫( )

y(x)= exp − a(x)dx∫( ) C+ b(x)exp a(x)dx∫( )dx∫( )

′y + ycos x= e−sin x

y= e

−cos xdx∫ C+ e−sin x ∫ ecos xdx∫ dx

⎝⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟= e−sin x ( C+ x )

n

y(n) +a1y

(n−1) +!+any= 0

y= eλx

(λn +a1λ

n−1 +a2λn−1 +!+an−1λ+an )e

λx

ϕ(λ)=λn +a1λ

n−1 +a2λn−1 +!+an−1λ+an ϕ(λ) α

ϕ(α)eαx = 0 eαx λ

n ϕ(λ) ϕ(λ)= 0

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492

の形にかけることは代数学の基本定理からわかる。 お因数分解の様子で解の形が わかる。 が単純零点 をもつとき、 が基本解の系である。

これは Vandermonde の行列式で、これについては 133 ページ参照をされたい。 ★の一般解は と表される。 のとき,★ : を考えてみよう。 Case1 は異なる実数) が★ の基本解の系である。 。 一般解は は任意の定数) たとえば、 を解いてみよう。 であるから、 一般解は であることがわかる。 Case2

が★ の基本解の系である。 まず が微分方程式の解であることを示そう。

微分方程式は の形をもつ。 をこの式に代入すると、

そして、 であるから、 が★ の基本解の系である。

が一般解である。 たとえば、 の一般解は である。 Case3 ( は複素数)

とする。 である。

で, であるから、 が基本解の系である。 が一般解である。 たとえば、 の一般解は である。

のとき,★ : を考えてみよう。 Case1 は異なる実数)

ϕ(λ) = (λ−α1)m1 (λ−α2 )m2!(λ−αr )

mr mi ≥ 0 (i=1,2,!,r), mii=1

r

∑ = n⎛

⎝⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟

ϕ(λ)

ϕ(λ) α1,α2,!,αn {eα1x ,!,eαnx}

∵W (eα1x ,",eαnx )=

1 1 " 1α1 α2 " αn# # $ #α1n−1 α2

n−1 " αnn−1

= (−1)n(n−1)2 Δ(α1,α2,",αn )≠ 0

y= c1eα1x + c2e

α2x +!+ cneαnx

n= 2 2 ′′y +a1 ′y +a2y= 0

ϕ(λ) = (λ−α1)(λ−α2 ) ( α1,α2

{eα1x ,eα2x} 2 ∵W (e

α1x ,eα2x )= (α2−α3)eα1+α2 ≠ 0

y= c1eα1x + c2e

α2x ( c1,c2

′′y −3 ′y −4y= 0 ϕ(λ)= (λ+1)(λ−4)

y= c1e−x + c2e

4 x

ϕ(λ)= (λ−α)2

{eαx , xeαx} 2 ∵ xeαx

′′y −2α ′y +α2y= 0 (xeαx ′) = eαx +αxeαx , (xe

αx ′′) =

2αeαx +α2xeαx

(2αeαx +α2xeαx )−2α(eαx +αxeαx )+α2xeαx = 0

W (eαx , xeαx )= e2αx ≠ 0 {e

αx , xeαx} 2

y= c1eαx + c2xe

αx = (c1 + c2x)eαx

′′y +2 ′y + y= 0 y= (c1 + c2x)e−x

ϕ(λ)= (λ−α)(λ−α) α

α= a+ ib eαx = eax (cosbx+ isinbx),eαx = eax (cosbx− isinbx)

eax cosbx=

eαx + eαx

2,eax sinbx=

eαx−eαx

2i

W (eax cosbx,eax sinbx)= beax ≠ 0 {eax cosbx,eax sinbx}

y= (c1 cosbx+ c2 sinbx)eax

′′y +2 ′y +2y= 0 y= (c1 cos x+ c2 sin x)e−x

n= 3 3 ′′′y +a1 ′′y +a2 ′y +a3y= 0

ϕ(λ) = (λ−α1)(λ−α2 )(λ−α3) ( α1,α2,α3

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493

一般解は である。 たとえば、 の一般解は である。 Case2

が基本解の系である。それは次の計算からわかる。

微分方程式は の形をしている。 が解になる条件を考える。

とすると、 従って、 のとき、 は微分方程式の解である。 wronskian([exp(alpha*x),x*exp(alpha*x), x^2*exp(alpha*x)],x)

simplify(det(%))

この計算から、 をうる たとえば、 の一般解は である。 Case3 は異なる実数)

が基本解の系である。 が解であることを示そう。

微分方程式は の形をしている。 を

この方程式に代入すると、0 であることが簡単な計算でわかる。 さらに、 wronskian([exp(alpha[1]*x),x*exp(alpha[1]*x), exp(alpha[2]*x)],x)

simplify(factor(det(%)))

今の計算から、 が得られた。 一般解は と表される。

y= c1eα1x + c2e

α2x + c3eα3x

′′′y −2 ′′y −5 ′y +6= 0 y= c1e−2x + c2e

x + c3e3x

ϕ(λ)= (λ−α)3

{eαx , xeαx , x2eαx}

′′′y −3a ′′y + 3a2 ′y −a3y= 0 xkeαx

y= xkeαx

′′′y −3a ′′y + 3a2 ′y −a3y= k(k−1)(k−2)⋅xk−3eax

k = 0,1,2 xkeαx

W (eαx , xeαx , x2eαx )= 2e3αx ≠ 0

′′′y +6 ′′y +12 ′y +8y= 0 y= (c1 + c2x+ c3x2 )e−2x

ϕ(λ) = (λ−α1)2 (λ−α2 ) (α1,α2

{eα1x , xeα1x ,eα2x} xeα1x

′′′y −(2α1 +α2 ) ′′y + (α12 +2α1α2 ) ′y −α1

2α2y= 0 y= xeα1x

W (eα1x , xeα1x ,eα2x )= e(2α1+α2 )x (α1−α2 )

2 ≠ 0

y= (c1 + c2x)eα1x + c3e

α2x

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494

たとえば、 を解いてみよう。

でるから、 が一般解である。 Case4 ( は実数、 は複素数)

とすると、 が基本解の系である。 が で表されていることはら、微分方程式の解であることは

明らかである。 W := wronskian([exp(alpha*x), exp(a*x)*cos(b*x), exp(a*x)*sin(b*x)], x)

simplify(det(W))

この計算から、 がわかる。

( は任意定数 ) が一般解である。 たとえば、 ( )の一般解は である。 一般に、★の特性多項式は

ただし、 , は実数、 は複素数で、

とする。

このとき、★の基本解の系は

である。これらの1次結合が★の一般解である。 たとえば、

′′′y + ′′y −8 ′y −12= 0 ϕ(λ)=λ3 +λ2−8λ−12= (λ+2)2(λ−3)

y= (c1 + c2x)e−2x + c3e

3x

ϕ(λ)= (λ−α)(λ−β)(λ−β ) α β

β= a+ ib {eαx ,eax cosbx,eax sinbx}

eax cosbx,eax sinbx eβx ,eβx

W = e(2a+α)xb (a−α)2 +b2{ }≠ 0

y= c1eαx + (c2 cosbx+ c3 sinbx)e

ax c1,c2,c3

′′′y −4 ′′y +6 ′y −4y= 0 ϕ(λ)= (λ−2)(λ2−2λ+2)

y= c1e2x + (c2 cos x+ c2 sin x)e

x

ϕ(λ)= (λ−α1)m1!(λ−αs )

ms {(λ−β1)(λ−β1)}ns!{(λ−βt )(λ−βt )}

nt

mνν=1

s

∑ + 2 nνν=1

t

∑ = n ⎛

⎝⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟ ( α1,!,αs β1,!,βt

β j = aj + ibj ( j =1,!,t )( ) )

eαix , xeαix ,!, xmi−1eαix ( i=1,2,!, s), eajx cosbjx, xeajx cosbjx,!xnj−1eajx cosbjx

eajx sinbjx, xeajx sinbjx,!xnj−1eajx sinbjx ( j =1,2,!,t )

y(12)− y(11)− y(10)−5y(9) +5y(8)−3y(7) +13y(6)−7y(5) +10y(4 )

−20 ′′′y +12 ′′y −12 ′y +8y= 0

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495

を解いてみよう。 因数定理より、 とかける。 一般解は である。

を未知関数とする微分方程式

を連立線形微分方程式という。

とおくと、上の微分方程式は

と表すことができる。 を係数行列という。特に、 のとき、斉次形であ

るという。また、 のとき、非斉次形という。 注意: 線形微分方程式☆を連立線形微分方程式で表すことができる。実際

とおくと、

ϕ(λ)= (λ−1)3(λ−2)(λ2 +2λ+2)2(λ2 +1)2

y= ex (c1 + c2x+ c3x2 )+ c4e

2x + (c5 cos x+ c6 sin x)e−x + (c7 cos x+ c8 sin x)xe

−x

+(c9 cos x+ c10 sin x)+ x(c11 cos x+ c12 sin x)

y1(x), y2 (x),!, yn (x)

′y1(x) = a1,1(x)y1(x)+a1,2 (x)y2 (x)+!+a1,n (x)yn (x)+b1(x)′y2 (x) = a2,1(x)y1(x)+a2,2 (x)y2 (x)+!+a2,n (x)yn (x)+b2 (x)

" "′yn (x) = an,1(x)y1(x)+an,2 (x)y2 (x)+!+an,n (x)yn (x)+bn (x)

⎪⎪⎪⎪⎪⎪

⎪⎪⎪⎪⎪⎪

yj (0) = y0, j (j =1,2,!,n)

y(x) =

y1(x)y2 (x)!

yn (x)

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

, A(x) =

a1,1(x) a1,2 (x) " a1,n (x)a2,1(x) a2,2 (x) " a2,n (x)! ! # !

an,1(x) a2,2 (x) " an,n (x)

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

, b(x) =

b1(x)b2 (x)!

bn (x)

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

dy(x)dx

= A(x)y(x)+b(x) y(0) = y0( )

A(x) b(x)= 0

b(x)≠ 0

y1 = yy2 = ′y!

yn = y(n−1)

⎪⎪⎪⎪⎪⎪

⎪⎪⎪⎪⎪⎪

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496

連立線形微分方程式

に帰着することができる。このとき、

とすると、

と表される。

さて、係数行列 A のすべての成分 が定数のとき、定数係数の線形連立微分

方程式という。ここでは定数係数の場合のみを考えるものとする。すなわち、

まず、斉次形

を考える。

とすると、 , である。すなわち、

微分方程式▽の解は の形にかけることがわかる。 例題 236 次の定数係数連立線形微分方程式を解いてみよう。

′y1 = y2′y2 = y3!

′yn−1 = yn′yn =−a1(x)yn−a2 (x)yn−−"−an (x)y1 +b(x)

⎪⎪⎪⎪⎪⎪⎪

⎪⎪⎪⎪⎪⎪⎪

y(x) =

y1(x)y2 (x)!

yn (x)

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

, A(x) =

0 1 O0 "

! " 1−an (x) # −a1(x) 0

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

, b(x) =

0!0b(x)

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

dy(x)dx

= Ay(x)+b(x)

ai, j (x)

dy(x)dx

= Ay(x)+b(x) y(0) = y0( )

dy(x)dx

= A y(x) y(0) = y0( )

y(x)= eA⋅x y0

′y (x)= AeA⋅x y0 = A eA⋅x y0( )= Ay ∴ ′y (x)= Ay

y(x) = eA⋅x y0 ( y(0) = y0 )

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497

[解]

とおくと、微分方程式は と表される。

一般解は とかける。 が計算さえできればよい。 f[A](lambda) = charmat(A,lambda)

f[A](lambda) =factor(det(rhs(%)))

固有値は (相異なる)であるから、A は対角化可能である。 eigenvects(A)

で、このことから、対角化変換行列 P は

であることがわかる。そして、

と対角化できる。そこで、

′y1 =−22y1 +10y2 + 4y3′y2 =−38y1 +17y2 +8y3′y3 =−23y1 +10y2 +5y3

⎪⎪⎪⎪

⎩⎪⎪⎪⎪

A=−22 10 4−38 17 8−23 10 5

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟ ′y = Ay

y= eAx y0 ( y0 = t (c1,c2,c3)

eA⋅x

λ1 =1,λ2 = 2,λ3 =−3

P=4 1 28 2 33 1 2

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

P−1AP=1 0 −1−7 2 42 −1 0

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

−22 10 4−38 17 8−23 10 5

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

4 1 28 2 33 1 2

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟=

1 0 00 2 00 0 −3

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

exp (P−1AP)⋅x( )=ex 0 00 e2x 00 0 e−3x

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

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498

であるから、

であるから、 一般解は

は任意定数)

と表される。 さて、

を考えてみよう。これは

表されている。

で、A の最小多項式が 2 位の零点をもつから、

対角化可能でない。このようなとき、 の計算をどうするのか? その解決が Jordan(ジョルダン)標準形にするということである。それは後ほど説明する。 この問題は次のようにすることもできる。

の両辺を微分して、 で特性多項式は であるから、

一般解は

と表される。 参考

y=

y1

y2

y3

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

= Pexp(P−1AP)⋅x)P−1( )y0 ( y0 =

c1

c2

c3

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

)

y1 = 4(c1−c3)ex + (−7c1 +2c2 + 4c3)e

2x +2(2c1−c2 )e−3x

y2 = 8(c1−c3)ex + (−14c1 + 4c2 + 8c3)e2x + 3(2c1−c2 )e−3x (c1,c2,c3

y3 = 3(c1−c3)ex + (−7c1 +2c2 + 4c3)e

2x +2(2c1−c2 )e−3x

′y1 = 3y1− y2 !! (i)′y2 = y1 + y2 !! (ii)

⎧⎨⎪⎪

⎩⎪⎪

dydx

= Ay y=y1

y2

⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟,A= 3 −1

1 1

⎝⎜⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟

⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟

fA(λ)=

λ−3 1−1 λ−1

= (λ−2)2

eA

(ii)

′′y2 = ′y1 + ′y2 = 3y1− y2 + ′y2 = 3( ′y2− y2 )− y2 + ′y2 = 4 ′y2−4y2

′′y2−4 ′y2 + 4y2 = 0 ϕ(λ)= (λ−2)2

y2 = c1e2x + c2xe

2x

y1 = ′y2− y2 = (2c1e2x + c2e

2x +2c2xe2x )−(c1e

2x + c2xe2x )= (c1 + c2 )e

2x + c2xe2x

y1= (c1 + c2 + c2x)e

2x

y2 = (c1 + c2x)e2x

⎧⎨⎪⎪

⎩⎪⎪

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499

とすると、 である。まず、 を計算したい。

A := band([0,a,1],2)

seq(evalm(A^k), k = 1 .. 10)

この計算から、

が推定できる。 exponential(A*x)

なお次のようにも考えられる。

とおくと、 である。そして、

,

をうる。 例題 237 を連立線形微分方程式による解法を考察せよ [解] とおくと、

P= 1 1

1 0

⎝⎜⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟

P−1AP= 2 1

0 2

⎝⎜⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟

2 10 2

⎝⎜⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟

n

An = 2n n ⋅2n−1

0 2n⎛

⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟

S= 2 0

0 2

⎝⎜⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟,N = 0 1

0 0

⎝⎜⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟ SN = NS, N k =O ( k≥ 2 )

(S+N )x{ }n

n!=(Sn +nSn−1N )xn

n!=

(2x)n

n!0

0 (2x)n

n!

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

+ 0 xn(2x)n−1

n!0 0

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

e

2 10 2

⎝⎜⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟⎟⋅x

= e2x xe2x

0 e2x⎛

⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟

eAx = Pe2 10 2

⎝⎜⎜⎜⎜

⎠⎟⎟⎟⎟⎟⋅x

P−1 =(1+ x)e2x −xe2x

xe2x (1− x)e2x

⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟

y(n) = ay ( a> 0 )

y1 = y, y2 = ′y , y3 = ′′y ,!, yn = y(n−1)

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500

とかける。 与式は

と表される。係数行列( 次の正方行列)を A とする。解(ベクトル) は ( は任意定数ベクトル)

と表される。 の1行目を とすると、

(一般解)

とかける。 が示せれば、 が基本解の

系である。 の計算手順を説明する。

,An+1 =

0 a 0 ! 00 " #

# # " 00 0 ! aa2 0 ! 0

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

= aA,!,A2n =

a2 0 ! 00 a2 " ## 0 " "" " 0

0 ! 0 0 a2

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

= a2E,!

′y1 = y2

y2′ = y3

! "′yn−1 = yn′yn = ay1

⎪⎪⎪⎪⎪⎪⎪⎪

⎪⎪⎪⎪⎪⎪⎪⎪

ddx

y1y2!yn

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

=

0 1 " " 00 0 1 # !! 0 # # !0 ! # 0 1a 0 " 0 0

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

y1y2!yn

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

n y

y= exp(Ax)y0 y0

exp(A ⋅x) ψ1(x),ψ2 (x),!,ψn (x)( )

y= y1 = c1ψ1(x)+ c2ψ2 (x)+!+ cnψn (x)

W ψ1(x),ψ2 (x),!,ψn (x)( )≠ 0 ψ1(x),ψ2 (x),!,ψn (x)( )

exp(Ax)

A=

0 1 ! ! 00 0 1 " ## 0 " " #0 # " 0 1a 0 ! 0 0

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

,A2 =

0 0 1 ! 0

0 0 01"#

# 0 " " 1a # " 0 00 a ! 0 0

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

,!,An =

a 0 0 ! 00 a 0 " ## 0 " " 00 # " a 00 0 ! 0 a

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

exp(Ax)= (Ax)ν

ν!ν=0

∑ =Aνxν

ν!ν=0

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501

を考慮して、 の 成分が であるから、

の一般解は と表される。 特に、 の場合を考えてみよう。

の特性多項式は であるから、

が基本解の系である。 A := band([a 0,0,0,1,0,0],4)

f[A](lambda) = charpoly(A, lambda)

-------------------- がわかる

seq([k,evalm(A^k)],k = 1..8) ----------------------- の表示

Sum((A*x)^n/factorial(n), n = 0 .. 11);% = evalm(value(%)) ---------- の計算

row(rhs(%),1) --------------- の1行目の表示

exp(Ax) (1, j) (j =1,2,!,n) ψ1(x),ψ2 (x),!,ψn (x)( )

ψ1(x)=1+

axn

n!+a2x2n

(2n)!+!

ψ2 (x)= x+

axn+1

(n+1)!+

a2x2n+1

(2n+1)!+!

!

ψn (x)= xn+1 +

ax2n−1

(2n−1)!+

ax3n−1

(3n−1)!+!

y(n) = ay y= c1ψ1(x)+ c2ψ2 (x)+!+ cnψn (x)

n= 4

y(4 ) = ay

ϕ(λ)=λ4−a= λ− a4( ) λ+ a4( ) λ− a4 i( ) λ+ a4 i( )

e a4 x ,e− a4 x ,cos a4 x,sin a4 x{ }

fA(λ)=ϕ(λ)

Ak (k=1,2,!,8)

(Ax)k

k!k=0

11

exp(Ax)

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502

M := map(simplify, exponential(A*x)) ------------------ の計算

W := map(simplify, wronskian(row(M, 1), x)) ----- の1行目の Wronskian

simplify(factor(det(W))) ----------ロンスキーの行列式の値の計算

1 この計算から、 の1行目の関数系は1次独立であることがわかる。 map(taylor, M,x = 0, 11) ---------- をテーラー展開してみた

の1行目の成分は の1次結合で表されていることもわか

る。 非斉次形▼の解の公式をあげておこう。 ▼の一般解 ▽の一般解+▼の特殊解であることを念頭においておく。

が▼の解になるように を決めよう。

であるから、

exp(A ⋅x)

exp(A ⋅x)

exp(A ⋅x)

exp(A ⋅x)

exp(Ax) ea4 x ,e− a4 x ,cos a4 x,sin a4 x

=

exp(A ⋅x)Y(x) Y(x)

exp(A ⋅x)Y(x)( )′ = Aexp(A ⋅x)( )Y(x)+ exp(A ⋅x) dY(x)

dx

exp(A ⋅x)Y(x)( )′ = Aexp(A ⋅x)( )Y(x)+ exp(A ⋅x) dY(x)

dx= A exp(A ⋅x)Y(x)( )+b(x)

∴dY(x)dx

= exp(−A ⋅x)b(x)

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503

とすればよい。

したがって、一般解は

すなわち、

が▼の一般解である。 の一般解と形はよく似ていることを注意しておこう。 例題 238 次の連立線形微分方程式を解け。

[解]

とおくと、方程式は と表される。簡単な計算により、

で、固有空間の基底は

そこで、 とおくと、 をうる。

Y(x)= exp(−A ⋅s)b(s)ds

0

x

y(x)= exp(Ax)y0 + exp(Ax) exp(−A ⋅s)b(s)ds

0

x

y(x)= exp(Ax) y0 + exp(−As)b(s)ds

0

x

∫⎧⎨⎪⎪

⎩⎪⎪

⎫⎬⎪⎪

⎭⎪⎪

′y = ay+b(x)

′y1 =−83y1 + 64y2−44y3 + cos x′y2 =−110y1 + 85y2−58y3 + sin x′y3 =−y1 + y2

⎪⎪⎪⎪

⎩⎪⎪⎪⎪

A=−83 64 −44−110 85 −58−1 1 0

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟, y(x)=

y1(x)y2 (x)y3(x)

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

,b(x)=cos xsin x0

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

′y (x)= Ay(x)+b(x)

fA(λ)= (λ−1)(λ+1)(λ−2)

{{121

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟,−6−71

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟,461

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟}}

P=121

−6−71

461

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

P−1AP=1 0 00 −1 00 0 2

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

exp(Ax)=1 −6 42 −7 61 1 1

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

ex 0 00 e−x 00 0 e2x

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

13 −10 8−4 3 −2−9 7 −5

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

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504

ここからは Maple で計算しよう。 with(linalg); A := matrix(3, 3, [-83, 64, -44, -110, 85, -58, -1, 1, 0])

l := eigenvects(A)

P := augment(l[2][3][1],l[1][3][1],l[3][3][1])

L :=multiply(inverse(P),A,P)

M := multiply(P, exponential(L*x), inverse(P))

C:=matrix(3,1,[seq(c[i], i = 1 .. 3)])

=

13ex +24e−x−36e2x −10ex−18e−x +28e2x 8ex +12e−x−20e2x

26ex +28e−x−54e2x −20ex−21e−x + 42e2x 16ex +14e−x−30e2x

13ex−4e−x−9e2x −10ex + 3e−x + 7e2x 8ex−2e−x−5e2x

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

exp(−Ax)=1 −6 42 −7 61 1 1

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

e−x 0 00 ex 00 0 e−2x

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

13 −10 8−4 3 −2−9 7 −5

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

=13e−x +24ex−36e−2x −10e−x−18ex +28e−2x 8e−x +12ex−20e−2x

26e−x +28ex−54e−2x −20e−x−21ex + 42e−2x 16e−x +14ex−30e−2x

13e−x−4ex−9e−2x −10e−x + 3ex + 7e−2x 8e−x−2ex−5e−2x

⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜

⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟

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505

yy :=multiply(M,C)

K := multiply(P, exponential(-L*x), inverse(P))

bb := matrix(3, 1, [cos(x), sin(x), 0])

KK := map(int, multiply(K, bb), x)

special_solution:= map(simplify,multiply(M,KK))

Y := evalm(yy)+evalm(special_solution)

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y[1] = evalm(Y)[1,1]

y[2] = evalm(Y)[2,1]

y[3] = evalm(Y)[3,1]

が求める一般解である。

注: を次のように直接計算することもできる。 exponential(A*x)

y1, y2, y3exp(Ax)