140112 あゼミ発表資料 市原

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障害者の社会参加のプロセスの検討(仮) -ロジャー・ハートの「子どもの参画」に目して- 市原輝 [email protected] 2014/1/12 コあゼミ発表資

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Page 1: 140112 あゼミ発表資料 市原

障害者の社会参加のプロセスの検討(仮)-ロジャー・ハートの「子どもの参画論」に着目して-

市原大輝[email protected]

2014/1/12コあゼミ発表資料

Page 2: 140112 あゼミ発表資料 市原

テーマ

ロジャー・ハートの「子どもの参画論」を参考に、障害者が社会参加していくプロセスのモデルについて検討する

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Page 3: 140112 あゼミ発表資料 市原

「社会参加」とは?

ロジャー・ハート「子どもの参画」論

障害者の社会参加

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本日の発表の流れ

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「社会参加」とは?

ロジャー・ハート「子どもの参画」論

障害者の社会参加

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Page 5: 140112 あゼミ発表資料 市原

地域

日本

世界

地域活性化

福祉

環境問題

平和問題

貧困・飢餓

人口増加

問題エネルギー

格差・貧困 労働

問題

食・農業

教育 医療

人権

安全・防災

現代社会には、地域レベルの課題から、世界レベルの課題まで、今までの社会のシステムでは、対応できない多種多様な課題が存在している。

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現代社会の抱える課題

Page 6: 140112 あゼミ発表資料 市原

政府government政府

government市場

government市場

government

市⺠社会civil society

市⺠社会civil society

「第一の道」(60・70年代、“大きな政府”)

「第二の道」(80・90年代、“小さな政府”)

「第三の道」(00年代〜、“小さな政府・大きな社会”)

社会的課題解決の主体

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Page 7: 140112 あゼミ発表資料 市原

社会参加

経済参加

文化参加

地域参加

市⺠活動参加

政治参加

司法参加

社会参加の形態

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社会参加のプロセス

「市⺠参加のはしご」 (Arnstein, 1969)

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Page 9: 140112 あゼミ発表資料 市原

「社会参加」とは?

ロジャー・ハート「子どもの参画」論

障害者の社会参加

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Page 10: 140112 あゼミ発表資料 市原

子どもの権利条約

● 1989年に国連で採択 → 日本は1994年批准

● 軸となる4つの権利

生存の権利 保護される権利 発達の権利 参加の権利

● 「参加の権利」は、その内容が不明確さから権利として認識されづらい

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Page 11: 140112 あゼミ発表資料 市原

ロジャー・ハートの「子どもの参画」論

● 「子どもの参画」とは?

今まで大人たちだけで決めてきた物事のプロセスに、子ども・若者も一緒に加わること

「人の人生や人が暮らすコミュニティの生活に影響を与える意思決定を共有するプロセス」(Hart,2000)

解決すべき課題

大人

子ども

解決すべき課題

大人

子ども

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Page 12: 140112 あゼミ発表資料 市原

ロジャー・ハートの「子どもの参画」論

● 何のための「参画」なのか?… 社会 / 地域のための参画

参画能力の育成 / 学習のための参画

● 何に「参画」するのか?… ① 自らの人生への参画

② コミュニティへの参画③ 社会への参画

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「子どもの参加のはしご」

子ども主導の活動に大人も巻き込む

子ども主導の活動

大人主導で意思決定に子どもも参画

大人主導で子どもの意見提供ある参画与えられた役割の内容を

認識した上での参画

形式的参画

お飾り参画

操り参画

8

7

6

5

4

3

2

1

非参加

参加

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「子どもの参加のはしご」

・上段に行くほど子どもが主体的に関わる度合いが高い※必ずしも「上に行けば行くほど良い」というものでもない

・子ども

・下三段を「非参加状態」として批判

子ども主導の活動に大人も巻き込む

子ども主導の活動

大人主導で意思決定に子どもも参画

大人主導で子どもの意見提供ある参画与えられた役割の内容を

認識した上での参画

形式的参画

お飾り参画

操り参画

8

7

6

5

4

3

2

1

・子ども参画の必要条件① 子どもたちがプロジェクトの内容を理解している② 子どもたち自身が、誰から、なぜその役割を

与えられたのか知っている③ 子どもたちが意味のある役割を得ている④ プロジェクトについて理解した上で子どもたちが

自発的に参画している

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「子ども主導の活動に大人も巻き込む」

8段目は、子どもが「問題解決の対等なパートナー」として大人を巻き込んでいるという状態

子どもが一方的に支援されるのではなく、ともに活動していく関係へ

どちらの問題でもなく、共通の問題として解決に向けてパートナーシップを組む

子ども主導の活動に大人も巻き込む

子ども主導の活動

大人主導で意思決定に子どもも参画

大人主導で子どもの意見提供ある参画与えられた役割の内容を

認識した上での参画

形式的参画

お飾り参画

操り参画

8

7

6

5

4

3

2

1

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「子どもの参画」論の意義

子ども・若者は問題だ

子ども・若者には何もできない

子ども・若者は問題を解決できる

【参考】 「Youth As Resource」という考え方

● 子どもに対する大人の意識の変容が必要

● 子どもの参画を促すためのスキルや環境整備が必要

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Page 17: 140112 あゼミ発表資料 市原

「社会参加」とは?

ロジャー・ハート「子どもの参画」論

障害者の社会参加

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Page 18: 140112 あゼミ発表資料 市原

「参加のはしご」を「障害者」に応用できないか?子ども主導の活動に

大人も巻き込む

子ども主導の活動

大人主導で意思決定に子どもも参画

大人主導で子どもの意見提供ある参画与えられた役割の内容を

認識した上での参画

形式的参画

お飾り参画

操り参画

8

7

6

5

4

3

2

1

非参加

参加

「子ども」→「障害者」、「大人」→「健常者」と言い換えてもほぼ同様のことが言えるのではないか(仮説)

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※試しに置き換えてみると…

障害者主導の活動に健常者も巻き込む

障害者主導の活動

健常者主導で意思決定に障害者も参画

健常者主導で障害者の意見提供ある参画与えられた役割の内容を

認識した上での参画

形式的参画

お飾り参画

操り参画

8

7

6

5

4

3

2

1

非参加

参加

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「個人差と特別のニーズを認める」( Hart,2000 pp38 – 40 )

「どんな子どもでも参画できるプログラムを作るためには、子どもの普遍的な発達パターンと、文化・社会・階層・性によるそのさまざまな違いを乗り越える必要がある。また、子どもたち一人ひとりの思考や行動の仕方の違いにも気づく必要がある。さらに、「障害(disability)」をもつ子どもたちもできるだけ参画できるように考える必要がある。」

まさにインクルーシブ教育/インクルージョンの思想

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障害者の権利条約(2013年批准)

● 第3条「一般原則」障害者が「社会に完全かつ効果的に参加し、及び社会に受け入れられること」が明記されている

● 社会のあらゆる側面への参加地域参加、政治参加、文化的活動、余暇活動参加の保証及び教育を受ける権利の目的として社会参加が挙げられている

● スローガン「われわれのことを我々抜きで勝手に決めるな」

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参加活動心身機能身体構造

活動制限 参加制約

生活機能

障害

機能障害

WHO ICFにおける生活機能と障害の関係(茂木, 2007)

参加の制約

その人が「社会参加すること」について個と環境の間に障害がある

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「参加のはしご」を応用する目的

支援者にとっての目安となる段階的指標参加を促すためのスキルや環境整備

障害者主導の活動に健常者も巻き込む

障害者主導の活動

健常者主導で意思決定に障害者も参画

健常者主導で障害者の意見提供ある参画与えられた役割の内容を

認識した上での参画

形式的参画

お飾り参画

操り参画

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7

6

5

4

3

2

1

障害者のために障壁を取り除くのではなく、誰にとっても生きやすい社会の実現のために

障害者の社会参画を促す

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検討の方向性

● 障害者の社会参加プロセスモデルづくり障害者の社会参加のプロセスについて、ハートの「子どもの参画」論を応用したモデル化を試みる

● 誰もが社会参加できるための教育のあり方についてハートの「子どもの参画」論を参考に、「社会参加」を目的としたインクルーシブ教育のモデルについて検討する

● 研究方法文献調査 or 事例研究 ?

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教えてください!

文献、事例、考え方、研究方法などなどなんでも構いません

参考になりそうなものをご存知でしたら、ぜひ教えていただけると嬉しいです

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ご清聴ありがとうございました!

【主要参考文献】

Roger . A . Hart (2000)子どもの参画―コミュニティづくりと身近な環境ケアへの参画のための理論と実際IPA日本支部 (翻訳) 萌文社 [Amazon]

茂木俊彦(2007)障害児教育を考える 岩波新書

山下智也(2009)子ども参加論の課題と展望:ロジャー・ハートの「子ども参画」論を乗り越える九州大学心理学研究, 10, pp 101 - 110

市原大輝[email protected]